ミチノ・ル・トゥールビヨンシェフ道野 正のオフィシャルサイト


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 4月1日に、料理教室の第一回目を行いました。参加者18名で、けっこう盛況だったと思います。いままでいろんな場所に呼ばれて講習はしてきましたが、自分のお店でやることはほとんどなかったので緊張しました。多分、そうは見えなかっただろうけど。ただ、初顔合わせだったので、ぼくもそうだけど、こられた方同士も若干ぎこちなくて、でもこれは回を重ねるにつれて、どんどんなごやかな雰囲気になっていくだろうと思います。
もともと、ぼく自身が堅苦しいの嫌いだから。

 しかし実際のところ、自分のお店で料理教室するなんて思ってもみませんでした。だいたい、人にモノを教えるなんてガラじゃないと思っていたし。大学に行ってたときも、教職過程なんて全然とらなかったし。ただ、およばれで講習にいくことは、お店の宣伝にもなるしギャラもはいるし、まあいいか、というところだったのです。とはいうものの、引き受けたからには精一杯させていただきましたけど。そういう性格なもんで。

 では、何故自分のお店でやろうという気になったか。それは簡単に述べるならば、まあ、恩返しかな。ウチの母の料理があったから、ぼくは料理人になれたとこの頃は思うわけで、ウチの母は平凡な主婦だけど、男ばかりの子供4人(ちなみに、ぼくは次男です。)と父に、くる日もくる日も料理作ってくれたわけで、その労力は想像するのも恐ろしいほどたいへんだったろうけど、それをマズいだの、これはキライだの、いまさらゴメンとつぶやいても仕方ないのだけれど、でも、彼女の味とセンスは、しっかり自分の中にあると思うのです。そして、ぼくは料理人になって、そのことで自分に自信を持つことができました。それは、料理という表現方法を持っていることから来る自信です。気持ちとか思いを、言葉だけではなく、形として表現し相手に伝えられること。そして、料理とは基本的に、エネルギーを相手に与えることなのです。ぼくは、ひとを元気にすることができる。ひょっとしたら、一生忘れないほどの感動を与えることもできるかもしれない。そんな思いが、今のぼくの人生を支えています。そして、そうなれたことを一番に感謝すべきは、やっぱり母かな、と。

 で、話は長くなりましたが、そんな感謝の思いを、今更言葉にして母に伝えても、気持ち悪がられるか、かえって心配されるのがオチなので、彼女がぼくに伝えてくれたように、ぼくも人に伝えてみるか、と。それに、ぼくが12年間お店を続けてこれたのも、多くの皆さんのおかげだし。というわけで、恩返し、という結論になるのですが。
 
まあ、言葉に置き換えるとなんだか重苦しいけれど、実際はもっと気軽なものにしたいので、誘い合ってお越しになってください。次回は5月20日です。
 それにしても、この文章読み返して思ったんだけれど、ぼくも随分丸くなったなあ。フランス料理界の奇才のはずなんだけどなあ。
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by chefmessage | 2002-05-10 22:42