ミチノ・ル・トゥールビヨンシェフ道野 正のオフィシャルサイト


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 今回は少しまじめなお話を。
まず、タイトルにご注意ください。料理を作る、ではなくて、作り続ける、としたのには訳があります。
たとえば主婦なら、今日の晩御飯はカレーにしようと考えて、材料を買いに行き、お家で下ごしらえをし、家族の帰宅にあわせて仕上げます。そして、全員が食べ終わったら片付けてお終い。明日はまた他の献立を考えます。これが料理を作る、ということだと思います。でも、僕たちは1ヶ月なら1ヶ月、途切れることなく同じものを作りつづけなければなりません。では、同じことの繰り返しかというと、そうでもないのです。
  
 今月のメニューに寒ブリとキャベツのサラダ、という一品があるのですが、これの場合、メニュー表ではブリはグリエ、と書かれています。グリエとは、皆さんご存知の通り、網焼きのことです。こうすれば、焼きながら出てきた脂分を網の間に落とすことができるので、ブリがあっさりと仕上がります。この方法が一番有効なのは、お腹の部分を焼くときです。でも、それが尻尾の部分だったらどうするか。同じことをやると、逆に身はぱさついて、ぶりのおいしさは味わえません。そこで、シェフはポアレ、にします。ポアレ、というのはフライパンで焼くこと。強火で、まず表面を焼きます。それからひっくりかえして、一度出てきた脂分を捨てて裏もこんがり焼く。できれば、そのまま焼ききってしまう。こうすれば、表面はカリっと、でも中はジューシーに仕上がるのです。
 つまり、毎日同じ料理を作っているようで、実は、一回ごとに一番良い方法を選ぼうとしています。試し続けている、といってもいいかもしれません。。そして、もういいだろう、というところまで行けることもあれば、いつまでたってもたどり着けないこともあり、そのときは、もっと力があれば、と悔しくなります。でも、いつかたどり着いてやるぞ、と。
 ただ、このような方法には問題が一つあります。それは、サーヴィスのスタッフがお客様に説明したものと、実際に出来上がったものが違っていることがある、ということ。そして、これは説明したものとは違っている、とシェフに抗議すると、それの方がいいのだ、とシェフに突っぱねられてサーヴィススタッフの不満が募る、ということ。

 ほんとはね、悪いと思っているのです。事前に、こう変えるけどいいかな、と聞けばいいのです。でも、その手間がかけられない。なぜなら、思いついたことをすぐ実行しないと忘れてしまうし(実は、ほとんどが瞬間的な思いつきなので。)、なにより手が先に動いている。それに、いちいち呼びつけるのも気が引けるし。
 そのとばっちり?がお客様にいくというわけなのですが、でもこれだけは断言できるので安心してください。今日の料理は、いままでの中でベストです、と。

 僕は、指図するだけ、あるいはレシピ書いて後はおまかせ、のシェフにはなれそうもありません。ヴィデオカメラで、自分の指示通りのものを作っているか監視するなんて絶対嫌だし、毎日同じものを同じように作ってそれでよし、とするなら、退屈で転職したくなると思います。

 僕は、料理を作るだけではなく作り続けるシェフでいたいのです。自分という人間の変化にあわせて、日々更新していきたいのです。例え、同じような料理であっても、昨日よりいいものを作りたい、そして、もっと人を楽しませたい、そんな願いが僕という人間に命を吹き込んでいると思います。
 だから、ここからはお客様にお願いなんですけど、最初の説明と違う料理が運ばれてきたとしても、できれば、怒ったり問いただしたりしないでください。むしろ、喜んでいただきたい、なぜなら、その一皿はミチノシェフが突然、神の啓示を受けて生み出したものなのですから。なんて、言い訳にしては偉そうすぎますかね。

レザール・サンテ! オーナーシェフ 道野 正


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by chefmessage | 2006-11-18 03:17