ミチノ・ル・トゥールビヨンシェフ道野 正のオフィシャルサイト


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おばあちゃんの野菜

 日曜日にまた、カトーさんのおばあちゃんの野菜が届きました。このカトーさんは前にこのページに書いた、僕の釣りの師匠のカトーさんで、おばあちゃんはカトーさんのお母さんです。カトーさんのおばあちゃんは80歳を過ぎて尚、現役の農業婦人で、すでに離農している家族からは、もうやめていいよ、と言われているのですが、頑固なので今も先祖伝来の岡山の土地で野菜や果物を作り続けています。豊中在住のカトー師匠が、お休みのときに実家に戻っておばあちゃんのお手伝いをするのですが、その度に僕に作物を届けてくださいます。
 秋は栗や桃、山ほどの柿。冬は大根や蕪。春は菜の花、キャベツ、ミニキャロットに水菜にネギ。それにヴィンテージ物の梅酒もあります。

 カトーさんは親孝行な方なので、年に一度、おばあちゃんに豪華旅行をプレゼントされます。カトーさんの車で、温泉に出かけご馳走を食べて一泊し、最後はいつも僕の店でランチになって岡山に帰られます。去年の暮れも来られたので、僕はおばあちゃんの野菜をあれこれ多用してコースに仕立て、召し上がっていただきました。普段はそんなに量を召し上がらないおばあちゃんも、ご自分の野菜が使われているということで気合充分、完食してくださいます。
 最後にご挨拶に出ると、おばあちゃんはいつも、「ありがとうね。長生きしてもっと作るさけ、使うてやってくださいや。」と仰います。ちょっと目じりに涙が浮かんでいたりするので、僕はちょっと困ります。

 おばあちゃんの野菜は大きさが不揃いだったり、育ちすぎていたり、曲がっていたり、おおいに虫が食っていたりします。でも、完全無農薬です。というのも、おばあちゃん一人で作っているので、農薬を撒く手間が面倒みたい。ただ、おばあちゃんは、その時だけはちょっと曲がってきている背中を真っ直ぐにして、「食べて安全ということなら、実印押してもええ。」と断言してくれます。それを聞くと、僕はとてもうれしくなります。

 健康的芸術を標榜するレザール・サンテとなって一年が過ぎました。試行錯誤しながらも、やっと自分なりの料理ができるようになってきたのも、カトーさんのおばあちゃん達のおかげです。いままで知らなかった野菜というものを勉強させてくれました。残念ながら、前の方がよかった、と離れていったお客様もおられます。でも、僕の仕事はどんどん進化していっています。このメッセージを読まれたら、ためしにもう一度だけお越しください。そして僕のやりたかったことが少しでも解っていただけたら、僕の目じりにも涙が浮かぶかもしれません。
 新しく、愛媛県西条市のナイスベジタブルファーム(このネーミングには、ちょっと困惑しますが。)というところとお付き合いを始めました。洋野菜の宝庫です。また、河南町の大阪伝統野菜にも挑戦しようと思っています。ミチノ流フレンチは、これからです。応援してください。

レザール・サンテ!  オーナーシェフ 道野 正
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by chefmessage | 2007-03-10 03:20