ミチノ・ル・トゥールビヨンシェフ道野 正のオフィシャルサイト


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酔いどれ天使

で、心臓カテーテル検査のため入院することになったわけです、っていきなり、(で、)から文章はじめないでください、と叱られそうですが、実はこの、(で、)までの間にはいっぱい検査があったのです。

 そもそも紹介状を携えて国立循環器病センターを訪れるなり、初診で「3週間、検査入院してください。」と告げられて、「ちょっと待って下さい。私、自営業なんで、急に言われても困ります。」ということで相談に応じていただき、それなら外来で一つずつ検査をして原因を突き止めていきますか、ということになりました。
それにしても面倒なことになったな、というのが本音でした。本当に狭心症なのだろうか。
 
自覚症状、なんてのはありましたが、大したことないと思っていたのです。朝、時折、胸が重苦しくなる。例えるなら、ひどい胸やけみたいな感じです。早足で歩いているときに起きることもたまにある。でも、しばらくすると治まるわけです。だいたい5分間くらいでしょうか。そのあとはなんともない。だから、また胃潰瘍ができたのかなあ、くらいにしか思っていなかったのです。
 で、北桜塚の真正会病院に行きました。ここの佐々木院長がぼくの内科の主治医です。というか、勝手にぼくが決めているだけなのですが、もともとは院長の奥様と懇意にさせていただいていました。彼女、実は著名なワインジャーナリストで、集英社からブルゴーニュワインの本もだしている。その人のご主人だから、やはりワインマニアなわけで、ご夫婦でうちの店のお客さんでもあります。

 でも、初対面のときはびっくりしたなあ。あるワイン屋さんで偶然お会いしたのですが、普段着の院長は黒ずくめで、濃い髭に濃いお顔、なのにスキンヘッド!そのお店の店長が紹介してくれなかったら、ぼくは目を伏せて静かに退場していたと思います。ドクターには見えんで。ましてや大きな病院のオーナー院長だなんて。それに院長、素面のときあんまりないし、素面でも酔っ払いみたいだし。
 でも、その後仲良くなってその時のことが話題になったのですが、院長のぼくにたいする第一印象もひどかったらしい。「聞きしに勝る変な奴!」それでその日の夫婦の会話は盛り上がったとか。
 
 ま、それはさておき症状を説明すると、院長、「それは胃ではない。」と断言なさる。原因は心臓ではないか、と。正直言います。院長のその診断、ぼくは全然信じてませんでした。だから胃薬を処方していただいて、その後、症状も出なくなったようなので、随分のご無沙汰となりました。

 それから数カ月たったら、また調子が悪くなった。だから、今度は院長にすすめられるまま、ホルターという24時間心電図をとったわけです。時期は初夏だったので、体に張り付けた電極のテープのところが痒くて閉口しました。結果、異常なし。ほら、やっぱり違うねんで。痒い目してなんか損した気分。でも院長は、循環器病センターにとにかく行きなさい、紹介状書くから、と仰る。

 そこで冒頭から3行目に話は戻ります。結局、外来で検査を二つこなしました。それによる診断は、ストレスと喫煙に起因する突発的な血管の収縮であろう、ならば、対処療法で、症状が出た時にニトロ舌下錠を飲めばよい、だったのですが、トレッドミルという、ルームランナーで倒れそうになるまで走る三つ目の検査で心電図に乱れがでました。主治医も首をかしげます。では、最後にRIやりましょう、ということになりました。これは荒業です。血管に放射性物質を注入して自転車こぎます。そこで一回CT撮って、2時間安静にしたあと再度CT撮影、その2枚の写真を比べて診断する、というものです。これで、決定的になりました。心臓の右側の映像がかすれています。これは血流が正常でない証拠です。だから、今度はあきらめて検査入院してください。わかりました。そして話は冒頭に戻る。

 入院二日目にカテーテルを右手首動脈から入れて、心臓冠動脈付近に到達したら造影剤を注入し、CTを撮ります。それで血管の詰まっているところを特定するわけです。今回はこの検査だけで翌日、一旦退院するはずでした。ところが。
 病棟主治医のT先生(美人!働き者!でも、少々お疲れのご様子。)から退院不可、のお達し。右血管のうち一本がほとんど詰まっており、緊急な治療が必要、とのこと。えー。予約入ってるのに。
 仕方がないので、当座のお客様の予約をキャンセルさせていただくよう電話してほしいと、うちのマダムに頼みました。シェフ急病、ということで謝っておいてください。美人のT先生(くどい!)には早急な手術を無理言ってお願いしました。
 で、なんと検査翌日に治療となりました。再度、車イスにてカテーテル室へ。今度は左手首から入れたカテーテルに装着した風船を詰まった血管のところでふくらませて拡げ、ステントという針金2本入れて固定しました。これで血液が流れるようになりました。
 T先生曰く、早期発見、早期治療でとてもラッキーだったと思います。いつ心筋梗塞を起こしても不思議ではない状態でした。

 そしてぼくは、無事、死地から生還したわけであります!(ちょっと大げさか。)

 今回のことでは、うちのマダムをはじめ、本当に多くの方々に感謝しなければならないと思いましたが、やはり一番は佐々木院長に対してでありましょう。すみません、佐々木さん、あなた実はたいへんな名医でした。決してよっぱらいのyabuではありませんでした。今後は敬意を込めて、酔いどれ天使と呼ばせていただきます。
 これをお読みになってくださっている皆さんにも、こころから推薦いたします。豊中北桜塚の真正会病院は素晴らしい病院です。ぜひとも御贔屓に。ちなみに以前は雨漏りする古い建物で、かえって体調が悪くなりそうでしたが、新装なった今は、素晴らしく美しい病院です。よろしくお願いいたします、ってオレは真正会病院の広報か?ま、おかげで命拾いしたから、これくらいはさせていただきます。ありがとうございました。

レザール・サンテ!  オーナーシェフ 道野 正
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by chefmessage | 2008-11-18 03:53