ミチノ・ル・トゥールビヨンシェフ道野 正のオフィシャルサイト


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店名について

 お客様によく尋ねられるのですが、店名の “ル・トゥ-ルビヨン” とはフランス語で “つむじ風”とか“旋風”とか言う意味です。
 随分と威勢の良いネ-ミングですが、元々は、それを意図していたのではありません。
由来は、フランス修行時代に、ふと目にしたエルメスのスカ-フの柄にあるのです。それは、中心から外側に向かっていろんな色と模様の葉っぱが、大きくなりながら渦をまくように拡がっていく図柄で、トゥ-ルビヨンと名付けられていました。それを見た時、とても印象に残りました。
 だって不思議じゃないですか?そこに描かれているのはいろんな葉っぱであって、つむじ風ではないのですから。
 姿は見えないけれど、舞う葉っぱの動きで存在を明らかにする。 なんだかスカ-フなのに妙に哲学的で、フランス人らしいと、感心してしまいました。
 そして、いつか自分のお店が持てたら、それを拝借してやろうと思ったのです。
今から15年前、32歳の時でした。いつかは俺も、それだけが心の支えだったような気がします。 だったら、夢が実現した時、何故その名前だけにしなかったんだ、という苦言はごもっとも。
 なにしろ、自分たちでさえ、電話で正式名称がいえないくらい長ったらしい名前のレストランである、というのが現状なのですから。
すみません、土壇場になって、どうしても目立ちたくなったんです。
でも、今はまだいいですよ、ミチノがシェフの名前であるということが、おかげさまで少しはご理解いただけるようになったから。
 それまでは、「ミチノって、どういう意味ですか、」と聞かれたり、「このややこしい名前なんとかならんのか、」と叱られたりで、ほんとに改名したい時期もあったんですから。でも、性格が依怙地だから、そのまんまで11年たってしまいましたけど。
 でも、興味深いことに、地方によってうちの店の名前って覚えられ方がちがうのです。
だいたい関東の方は、「ル・トゥ-ルビヨンですか」と電話で聞かれます。
関西の方は、ストレ-トに「ミチノですか」になります。どちらでもいいのですが、そういうのって、おもしろくありません?
 それと、僕自身が時計マニアなので、よく、時計のトゥ-ルビヨンに憧れて命名されたのですか、と尋ねられることがありますが、それはありません。僕には、残念ながら、あのシステムが何故あんなに高価なのか理解できません。作るのが難しいのはわかりますが、むしろ現代のように、一つ一つのパ-ツの精度があがってしまうと、ああいう複雑な機構は、必要ないと思うのです。
まあ、趣味の工芸品といいましょうか。だから、宝くじでも当たらないかぎり買わないと思います。
 それから、時計に関してこれは余談になりますが、このごろ、いわゆる最先端のオシャレ人間の皆さんが、こぞってフランク・ミュ-ラ-をはめておられますが、僕自身は嫌いです。自分を自分でカリスマ化して、それで馬鹿高い値段で製品を売りさばくシステムって、危なくないですか? だって、ミュ-ラ-の時計って、デザインと仕上げはいいけれど、中身は結構ありきたりだと思うんだけど。 それを、なんでもかんでも自分が発明したようにふれこむのはどうかなあ。うさんくさいなあ。このごろ、平気で他人のデザインぱくっているみたいだし。
 などと言っていると、あ、お客様が来られたようです。さて、透明になってつむじ風に変身しなくては。
 それでは、また。
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# by chefmessage | 2001-05-01 22:23
 これはワインインスティチュ-トというところが主宰する、カリフォルニアワインの広報販売促進のキャンペ-ンです。

 いろんなレストランが、ある一定の期間、何種類かのカリフォルニアワインをグラスで提供して、その様子を覆面審査員が色々な角度から採点し、見事優勝したお店は、カリフォルニアにご招待。と言うもので、今回が何回目か知らないけど、うちのお店は去年から参加しています。

 もともと開店当初から、ワインリストにオ-パスワンをずらずら並べていたくらいだったから、カリフォルニアのワインは嫌いじゃなかったし、10年もお店をやっていればマンネリもでてくるわけで、そういう意味ではいい気分転換になるかもしれないな、と参加を決めてお勉強を始めたとたん、生来の気質から、とことんやらねばすまされなくなって、おかげで、損得抜きの仕入れで、膨大な在庫を抱え込む羽目になってしまったのですが、それはまあこの際置いておいて。

 こうして、選びに選んだワイン、白5種類・赤5種類まあ初心者にはこれでいいか的なものから、こんなものグラスで出してどうするんだ的なものまで、自信満々のチョイスで審査に臨んだというわけです。

 ところが、結果は10点満点の7点.。後から送られてきた審査員のレポ-トを読むと 「昼間からお酒を勧められたのでびっくりした。」残念ながらうちはお高い店なので、審査員は昼間来られたのですが、これがミエミエの雰囲気の女性二人組だから、すぐばれるんだなぁ。じゃあ、あなたは何しに来たの?と思うのはワタシだけでしょうか。
 そして、ワインインスティチュ-トからは、 「残念ながら貴店は優勝されませんでした。来年は頑張ってくださいね。」なんてコメントが届いたというわけです。
 なるほど!結局は大バコで、種類がいっぱいあって、ワイワイやるのがいいわけね、その方がワインも沢山売れるもんね。 「いえいえ」 、とワインインスティチュ-トの方はたぶん答えられると思います。 「小さなお店でも、すばらしいサ-ビスぶりで優勝されたところもございます。例えば豊中の有名イタリアンKさんのところのように。」
 でもワタシはKさんから、優勝のヒケツを聞いたことがあります。曰く、「審査員はすぐわかるから、思い切りヨイショして、サ-ビスにタダでワインをおまけしてあげればいいんです。」
 ある酒販店の方も言っておられました。 「審査員だと思ったらいろんな物をいっぱいあげればいいのよ。」
 そういえば、うちに来られた審査員も、帰られる時に、まずお店のマッチに手を伸ばされました。 「これもらっていいですか」。 次にお店のカ-ド、次に神戸大丸ア-トミュ-ジアムの案内、次になんとダビドフの葉巻用のマッチに手を伸ばして 「これもらっていいですか」。 なぜ!何のために!!¥3,000のランチのお客さんに、1箱¥500もする葉巻用のマッチいちいちあげていたら、いったいウチはどうなるんだ!!!
 でもあとから思いました。あのとき、あのマッチあげてたらもう少し点数ふえてたかなぁ。なんてね。

 では何故今年もこりずに参加したか、といいますと、これはカリフォルニアワインのお勉強に熱中していたときに、お知り合いになったインポ-タ-の人々と、また会いたいからです。
 とくに北海道にあるクラモチコ-ポレ-ションの倉持靖彦さん!ワインの問い合わせをしたら、なんと、ウチの店に食事に来られました。そして、ワタシの料理を食べて、「このお店なら自分の輸入しているワイン全部おいてほしい」、と言われました。聞けば、自分の納得できるお店じゃないと、苦労して輸入したワイン、特にレア物は置いてほしくない、とのこと。いまどき、こんなワガママ、はっきり言える人はいないですよ。

その時、聞いた話が忘れられません。
 「ワイン探しで、オレゴンの片田舎の空港に夜間一人で降り立ったとき、あたりは真っ暗で街の灯りも見えない。オレどうしてこんなとこまで来たんだろう、とさみしかったですよぉ、それで結局ね、ワイン売ってくんなかったです。」なんてニコニコしながら言うもんだから、こっちもその気になるじゃないですか。この人のワイン全部買いたいってね。どうしてそこまで、と思うのです。
 岩見沢で酒屋さんやってればそこそこやっていけるだろうに。
そういえば今年のナパのオ-クションでルイスのワインを最高値で競り落として、話題になったのもこの人でした。

でも、これはワタシ自身にもあてはまることでもあるのです。
 ワタシ自身がたいそうお気に入りのフレンチレストランが神戸の御影にあって、そこのシェフと話していたとき、彼がこう尋ねたことがあります。「ミチノさん、どうして悩んで、苦労して人と違う料理やろうとするんですか。しみじみ美味しいあたりまえの料理でいいじゃないですか。」これはワタシがある本に載せた、比内鶏の冷たいフリカッセ(クリ-ム煮)という料理を彼が新鮮に記憶していて、それを受けての発言でした。
 ワタシはこう答えました。「もちろんしみじみした美味しい料理もできる自信はある。でも、やりたくないし、自分のやるべき仕事じゃないとおもう。」と。

 例えば山登りする人がいる。誰も登ったことのない山の天辺に立ちたいと思う。
そこに理由はありません。ただ、そうしたいのです。強いて言うなら、そういう風に生まれたのです。
 だからといって、趣味の登山の人々を軽んじたりはしない、ただ、生き方の違いがあるだけなのです。
 残念ながら、苦労に苦労を重ねて誰も登ったことのない山のてっぺんに立ったとしても、それで世の中がよくなるもんじゃない。でも、登りたいのです。
 けれども、ある特定の人々には感動を与えることができるかもしれません。あいつもあんなに頑張っているんだから、自分もやればできるかもしれない、という形で。あるいはただ単純に元気とか勇気みたいな気を相手に与えるとか。

 だから今年も倉持さんをはじめとするインポ-タ-の人々に会いたくて、話をしたくて、参加することにしたのです。

さて今年の当店のグラスワインは、去年にもましてくせ者だらけの予定です。

 まず白ワインは、セリ-ンのソ-ヴィニヨンブラン。ダラヴァルやアロ-ホのワインメ-カ-、ミア.クライン女史自身の作るワインです。これが代表選手。
 赤ワインは、ショ-ン.サックレ-という人が、自宅の裏庭で瓶詰めしているというプレアディスというワイン。いろんな種類のブドウのブレンドで、何が何パ-セント入っているか、本人もよくわからないというもの。
 栃木県足利市(それ、どこ?)にある布袋ワインズ、というあやしい名前の(失礼!)、でもまじめそうなインポ-タ-が取り扱っています。

そんなのばっかり集めてやろうと思っているから、ゾクゾクしてしまいます。
どうしてそこまで仲間大集合、といったところでしょうか。でもおそらく、ワイン作っている人も、輸入している人も、そのワインと自分の料理をどうあわせようかと悩んでいる人も、そして、それを味わう人も、みんな、それぞれの山のてっぺんに立ちたいと願っているのだと思います。
 そんな願いが集まって、高まっていって、大げさかもしれないけれど、文化というものが生み出されていくのではないでしょうか。大量に売れないだろうし、儲からないだろうし、人にはなかなか理解してもらえないかもしれないけど。

でも、そういうキッカケを用意してくれたから、ワインインスティチュ-トさんに文句ばっかり言わず、お礼を言うべきかもしれませんね。

さあ4月から当店もバイザグラスはじめます。
ワインリストも書いておくから、みなさん楽しみに来てください。

白ワイン       ブドウ         1/2グラス   グラス
フィッシャ-     シャルドネ       ¥400   ¥800
セリ-ン       ソ-ヴィニヨン・ブラン ¥700   ¥1,300
バニスタ-・ロキオリ シャルドネ       ¥800   ¥1,500
ナヴァロ       ゲヴェルツ       ¥500   ¥900

赤ワイン                   1/2グラス   グラス
ベリンジャ-     カベルネ        ¥600   ¥1,100
ス-ヴェラン     カベルネ        ¥700   ¥1,400
フェッツァ-     ピノ・ノワ-ル     ¥800   ¥1,500
リッジ        ジンファンデル     ¥600   ¥1,100
ショ-ンサックレ-  ブレンド        ¥500   ¥900
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# by chefmessage | 2001-04-01 22:12