今年も元気に!
2002年 01月 10日
うちのお店って、値段高いですか? 本人はあまりそう思ってはいなかったのです。とにかく、どこにも負けないお料理を、というコンセプトで突っ走ってきましたから。そんな話を、ある常連のお客様としていたら、その方がこうおっしゃいました。
「自分たちは、来て食事をして、納得しているからぜんぜん高いとは思わない、むしろ、これじゃもうからんやろな、と思う。でも来たことのない人が電話で値段を聞いたら、こんな時代やから高い、と思うんとちがう?」 やっぱり、そうなんですかね。 でもそのお客様は続けてこう話されました。「せっかくの腕なんやから、もっと、たくさんのお客さんにふるうべきやで。それに、僕らの息子や娘が、親の財布をアテにせず、自前でこれるコ-スがあったら、僕らもうれしいね。」そうか、そういうことか、と妙に納得してしまったのです。親にも、子にも支持されるレストラン、うん、かっこいいな、と。
それに、前から気になっていたことがあるのです。それは何かと言いますと、うちのお客さん、ほとんどが、わざわざ来られる方たちで、地域の方って意外と少ない。皆さん、うちのお店のことはご存じなんだけど、敷居が高い、とおっしゃる。それもこの際解決しようかなと。
そこで、ついにやることにしました。
価格破壊ってやつ。
もちろん僕自身のですが。
まず、ランチは¥2,800からです。オ-ドヴル3種類、メインは3種類からチョイス。
次に、ディナ-。これは革命ですよ。ア・ラ・カルトの中から、オ-ドヴルとメインを選んで、¥5,500という新コ-スの設定。自分でも信じられません。なぜって、うちのお店、ア・ラ・カルトからオ-ドヴルとメインを選ぶディナ-は、¥12,000だったから。
もちろん、安けりゃいいんだろう、という気持ちでやるつもりはありません。力の入れ方は同じです。そういう人間なんですから。むしろ、僕の気持ちは、皆さんに愛されるレストランになろう、ということにあります。というか、その言葉自体、やっと気づいたというのが本音なのですから。大人になるのに、随分時間がかかりました。
そのうえ、これはワインマニアの方に朗報です。今まで、断り続けてきたワインの持ち込みを解禁にします。ただし、持ち込み料は、1本につき¥2,000いただきます。それが高いのか安いのか、正直わからないのですが、なにしろこちらは1、700本の在庫を抱える身です。うちのを飲んで下さいというのがいつわりのない気持ちなのですが、あまりのリクエストの多さにお答えすることにしました。
開店して12年目、はじめての試みを、今年はたくさんやろうとしています。たちどまらず、もっと前に進んでいこうとおもいます。皆さん、どうか力を貸して下さい。そして、みんなで、元気を分かち合いましょう。