料理教室
2002年 02月 10日
半分寂しく、半分はホッとしたというのが本音です。なにしろテレビの仕事というのは、一本録り終わったら、すぐ次の打ち合わせが始まるという切れ目のないもので、そのうえ僕の場合は、お店の定休日を収録日にあてていたので、この1年間、ほとんど休みなしという状態だったから、結構疲れていたのです。
だから、休めるのはうれしいんだけれど、生活のリズムができあがっていたので、寂しさというか、緊張感がうすれるのも実感としてあります。でも、しんどいながらも、楽しかったな。芸能人も以外と普通だな、と思ったり、やっぱり違うな、と思ったり。で、結論としては、どんなお仕事もたいへん、というありきたりなものなのですが、やっぱりどんな世界でも、成功の裏には努力があると思いました。
かとうかずこさんは、どんなハードスケジュールなときでも、本番になると、いつもきれいでセンスよかったし、セインは、日本人以上に礼儀正しく律義だったし、石田アナは、いつも勉強熱心だったし。だから、離れがたい気がするのですが、そんなことは言っておられないミチノシェフなのだ。
僕も頑張って、自分のお仕事に邁進しよう、というわけで、
4月から、料理教室 なるものを始めることにしました。
というのも、今までワタクシの場合、地域の皆さんどころか、日本全国から愛されたいと思う欲深い人間だったので、どうすれば遠くからでもお客さんが来てくれるのか、ということばかり考えていたフシがあるのです。だから、お店の調度は超豪華で、料理も他では絶対マネできないものを作り続けてきました。その結果、東京・名古屋・岡山・広島、これは誇張ではなくて、北海道からも来てくれるお客さんがいるという、そんなお店になれたのですが、でも、地元のお客さんには却って敷居が高いと思われるようになってしまったのです。これって良くないよね。不自然だな。やっぱり、ご近所の人達にも愛されないとね。僕たち豊中市民なんだから。そこで、今年になって、気軽に利用していただけるよう、まずランチとディナーのコースにお値打ち感のあるものを設けました。特別な日ばかりでなく、お友達と誘いあって普段使いにも利用していただけるように。で、自分でも思うのですが、ランチ¥2,800,ディナー¥5,500、このふたつの新設コースはほんとにお得です。時々、これで利益って出てるのかな、と不安になるもんね。
でも、オープンして12年目、僕たちとしては、もう一度原点に立ち返る気持ちなのです。
レストランは人を幸せにする場所です。まず近くの人達から。気がつくのに随分時間がかかってしまいましたが、でも、その分経験も積みました。それを味わってほしい、とにかく一度足を運んでいただきたい、後悔させないから、それが今のレストラン・ミチノの目標です。アルコールがダメな人のお飲み物も用意しました。ワインも、持ち込み料さえ了解していただければ持ってきていただいてもオーケーになりました。いままでのミチノではありえなかったことを自分たちの手で変えようとしています。
ただ、変わらないことがひとつだけ。
それは、いつもシェフがすべての料理の仕上げをしていること。頑固ですが、好きなんですね、結局。で、4月からは、その好きな料理を公開しようかな、と。これは、ウチのマネージャーとマダムが、テレビの仕事がなくなって楽になった分、シェフに何かさせようと企んだ結果なのですが、地域の皆さんも喜んでくれるんじゃないかな、と本人も思ったので実行することにしました。調理場が手狭なので実習はしていただけないけれど、僕が実際につくるのを見てもらって、そのお料理を食べてもらい、そのうえ当店ソムリエのワイン講習つきで、1回¥5,000。けっこういいんじゃないでしょうか。是非、ご応募ください。
また、3番街フェルタのお総菜も4月から新しいコンセプトで展開します。けっこう斬新なアイデアを計画中なので、お楽しみに。で、結局、相変わらず忙しいミチノシェフなのであった。