148人前の幸せ
2004年 02月 21日
で、書籍よみまくり、試飲したおし、の生活に突入したのですが、やり始めると、これがとても面白い。そうなると欲しくなる。あれもこれも、どれもそれも。その頃ワインの管理を任せていた女性スタッフがついに、「もう仕舞う場所がありません。」と悲鳴をあげたのですが、付いた勢いは止まらない。箱ごと横にしてワイン倉庫の床に積みあげろ。結果、仕入れ大超過、店大赤字、税理士さんには自殺行為と言われ、奥さんにはあきれられ。その時、持ってる物で売れる物は全て売りました。もうスっテンテン。よくしのげたなあ、と思います。
と、人ごとのように言ってますが、今年、また似たようなこと、やってます。2ヶ月で、お皿、148枚も買ってしまった!そして、まだ買い足りない!
これって何なのかなあ、と思います。もう性格の歪みとしか自分でも思えません。
でもね、そんな破天荒が次のエネルギ-につながるんですよ、ワタシの場合。
思うのですが、どうやら料理人にも二通りのタイプがあって、定期的にフランスとかへ出かけて、そこで吸収したものを反映させて自分の仕事やっていくタイプと、あくまで自分のイメ-ジするものを具体化することに固執するタイプと。いわば、外からの作用で動く人と、内からの作用で動く人、という事になるのでしょうか。僕の場合、典型的な後者ですね。出不精だし、依怙地だし。
でもね、結構疲れるし、行き詰まったりするんですよ。ましてや、ウチのお店、今年15周年ですよ。ネタもつきると言うもんです。
だけど。
一歩も立ち止まりたくないのです。まだ前へ進めると思いたいんです。何故、と質問されると困るけど、いつも時代の空気感じていたい、というのかな、変化するのが世の習いなら、正常進化したい、というのかな。そうすることで、どんな時にでも、食べるということで、人を幸せにして、勇気づけられると、そういう人間でありつづけられると。
なんだか大層なお話になりそうだから結論を急ぎますが、新しいお皿にあう新しい料理、いっぱい考えました。新作オンパレ-ドです。いままで、白いお皿しか使わなかったけれど、みんなそういう傾向になりだしたので、あえて色皿、柄のあるお皿買いました。自分では冒険ですが、なんせ元手掛かってるし、悪しき前例もあるんで、気合い入ってます。そして、今回のメニュ-、自信あります。お客さんによっては、とまどわれるかもしれません。でも、これもミチノの料理だと思います。是非、お越しください。お待ちしています。
それにね、5年前にオニのように買ったワイン、そろそろ飲み頃になってますぜ、お客さん。